thumbnail140729

財布を持たずにお越しください? イベント“Lollapalooza”でキャッシュレス・リストバンドを採用へ

この度、アメリカ国内で開催される主要音楽イベントとしては初めての試みとして、Lollapalooza の観衆はグッズや食べ物・ドリンクなどが購入できる特殊リストバンドを使用することになります。主催者によると、このテクノロジーの導入はセキュリティーを向上し、イベントをより快適に楽しんでもらうためのものであるということで、同時に利用者の購入傾向に関するデータを収集するという目的も併せ持っています。

チケット購入者には今から数週間以内に入場券代わりのリストバンドが郵送されますが、このリストバンド自体にはクレジットカードなどの情報を取り込み暗証番号を設定することができるRFIDマイクロチップが搭載されています。

そして実際にイベント会場で使用する際には、専用支払いシステムにおいてリストバンドをパッド上にタップし、暗証番号を入力するだけでOKです。現金やクレジットカードも使用できますが、基本的にはこのリストバンドさえあれば会場内では財布は必要ないということになります。

同イベントを手掛けるC3 Presents社のイベント・マーケティング・ディレクターのパトリック・デントラー氏は、「これは会場を訪れるファンのお客様により快適なサービスを提供するための手段なのです」と説明しています。同氏はこのテクノロジーによって、列に並ぶ待ち時間が短縮されて観衆がよりステージ上に集中することができるようになることを期待しています。

また、Front Gate Ticketsの社長モウラ・ギブソン氏はアトランタで4月に開催されたCounterpoint Festivalにおいて試験採用された「キャッシュレス式」決済システムは好評を博し、食べ物・ドリンクへの支払いの30%がキャッシュレスシステムで行われたと発表し、その理由として「キャッシュレスだと会場内で財布を落としたり盗まれたりする心配がないため」という点を挙げています。

さて、このリストバンドには、クレジットカード番号などの代わりに6ケタの3重暗号化されたID番号が採用されており、何度も印刷複製して悪用が可能なバーコード付きチケットとは異なり複製そのものが不可能です。

また、このリストバンドには防水加工が施されているだけでなく、万が一インターネットが一時ダウン(イベント会場では頻繁に起こる)した場合でも店舗側が販売データを記録しておいて、接続が復旧した際に改めてシステム内にアップロードすることも可能です。この点に関してギブソン氏は「イベントでは常に起こり得る最悪の事態への対処を考えなくてはいけないのです」と話します。

加えてリストバンドには緊急時の連絡先なども登録できるため、万が一の場合は医療スタッフがその情報を基に初期治療活動を行うことができるだけでなく、モニターデバイスをタップするだけで迷子の所在地も簡単に割り出すことが可能です。

140729image

その一方で、リストバンド一つにたくさんの情報を登録しすぎるのはどうかという意見もありますが、前出のデントラー氏はこのリストバンドをC3 Presents社が作成した背景には利用者がイベントを快適に楽しんでもらいたいという意向があり、決してデータ収集のためではないと強調します。「このシステムでは誰々が一日にコーラを何杯購入した、などという情報までは把握できません」とは同氏の弁です。

それでも同じく前出のギブソン氏は、将来的には例えばバドワイザーなどの特定の銘柄をたくさん購入すると、記録されたデータに基づいて特別割引を適用するなどというシステムも面白いのではと話します。

同氏によると、このシステムを利用者の動きを監視するためのものとして使うのではなく、ひとり一人の嗜好を把握できる特長を生かすことで、究極的には例えばバーカウンターの待ち時間が短い時にその情報を流すようにしたりして、あくまでも利用者がイベントを快適に楽しんでもらうために活用していきたいということです。

「…この手のテクノロジーがもたらす可能性は無限にありますから」(ギブソン氏)

このような活用法を提案する意見をデントラー氏に向けたところ、Lollapalooza会場においてはまだそのような特別割引やお知らせ送信機能の採用は考えていないとの答えが返ってきました。システム自体が今はまだ試用段階であるため、「まずは全体プロセスの流れを私自身が把握することが第一で、それがしっかりできるようになったら初めてその他の活用方法について考えます」ということです。

この記事はLeave Your Wallet at Home: Lollapalooza Offers Cashless WristbandsをUsable IoT blogが日本向けに編集したものです。

関連記事

訪日外国人客が集まる街へ インバウンド地方創生プロジェクト
エスキュービズムニュースレター!
IoT用語辞典
お役立ち資料
無料ダウンロード
ページ上部へ戻る

運営者

  • 株式会社エスキュービズム
  • 〒105-0011 東京都港区芝公園2-4-1芝パークビル A館 4階
  • TEL : 03-6430-6730(代表)
  • HP:https://s-cubism.jp/