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身体装着型センサー「Physical Cookie」は実店舗における対オンラインショップの切り札となるか

このたび、一枚のプラスチック製デバイスがオンラインショップに押されがちなショッピングモールの救世主となり得るかも知れないというニュースが入ってきました。

去年の秋、ヘルシンキにあるショッピングモールは「Physical Cookie」と呼ばれる特製のプラスチック製RFIDデバイスを約14000人の買い物客に配り、実地テストを行いました。これを装着した買い物客がモール内を散策する際に、モール内のデジタル広告ディスプレイに特別な広告メッセージなどが表示されるという仕組みです。

この「Physical Cookie」はオンラインショップが実践しているシステムを真似たもので、買い物客の好みを基準にした個別対応の広告メッセージを提供することを可能にしています。ただし、過去の履歴などを参照するのではなく、モール内のどのエリアで長い時間を過ごしたかというデータのみを活用することになります。

当デバイスはSpondaとTBWA/Helsinkiとの共同で開発され、ポケットに簡単に入るコンパクトサイズである上、ユーザー登録や個人情報の入力なども必要ありません。

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4か月のトライアル期間を経てSpondaが発表したレポートによると、当デバイスを利用した買い物客は利用しなかったグループと比べて店内滞在時間が21.7%長かったということが判明し、また電子メッセージ広告を活用することで人通りの多いモールの1階から2階へと買い物客を14.5%多く誘導することに成功したという事です。

このようなデータから考えると、小売業者側にとっては、このデバイスはリアルタイムで買い物客の行動を分析してフロアスペースの効率的利用やディスプレイの効果的な設置方法などを把握する大きな助けとなるということはもちろん、デバイス一つ当たりのコストがわずか17セントという点も魅力的です。

さて、これと同様のテクノロジーとしては、スマートフォン、特にiPhoneに対応したiBeaconが代表的です。しかし、TBWA/Helsinkiのクリエーティブ・ディレクターであるセオドア・アーヒオ氏は、iBeaconの目新しさが薄れていくにつれて消費者の関心も薄れていくことになるだろうとの見解を示しています。

「iBeaconを導入している店舗に足を踏み入れると自動的に広告や特売のお知らせなどが携帯に送信されてきますが、今後このシステムに参入してくる企業が増えてくるにつれて、iBeaconのスイッチを入れたままにしておくと様々な種類のメッセージが無差別に送られてくることになるのも時間の問題です。そこで我々としてはこのような状況を打破することを目指しており、つまり単にメッセージを送りつけるのではなく店側が個人の特徴に合わせて接客対応の仕方に工夫を凝らすことの出来るようにこのテクノロジーを活用していこうとしているのです」とは同氏の弁です。

ところが、この様にPhysical Cookieや iBeaconなどといった実店舗用テクノロジーの発達が進む一方で、近年における実店舗への客足は遠のく一方です。

事実、2013年の年末年始シーズンにおける実店舗来店者数は2010年の半数ほどに落ち込んだというデータも出ており、Amazonなどのオンラインショップで商品購入を行う消費者の数が増えるにつれて特にショッピングモールではその反動を大きく受けています。

このように実店舗メインの小売業者にとってはまだまだ厳しい現状ですが、その中でも大型ディスカウント店やオーガニック・健康食品の専門店、またファストフード・レストランなどが業務成績の好調を維持している点は特筆すべきでしょう。

この記事は‘Physical cookie’ could help malls fight back against Amazonの記事をUsable IoT blogが日本向けに編集したものです。

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