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RFIDパレットから検証する「モノのインターネット(IoT)」がもたらす供給チェーンへの効果

2003年ならびに2006年にSupply Chain Networkによって実施された初期テストの結果、どちらの年においても「モノのインターネット」を採用することで供給チェーン上に大きな有益性がもたらされるという事が明確に示されました。

これらの初期テストのうち、最初に行われたテストはSCN Groceryテストと呼ばれ、RFID(近距離無線システム)を搭載したパレット(荷運び台)が用いられ、そこから発信されたデータを自動化された配送センターが受信するというスタイルを取り、もう一つのテストはOffice Productsテストと呼ばれ、パレットだけでなくケースにもRFIDを搭載しました。その結果在庫管理センター及び実店舗への配送において顕著な効果が確認されています。

しかしながら、10年以上たった今になってようやくビジネスにおけるモノのインターネットの活用について業界で注目され始めてきているのです。

このように供給チェーンにおけるモノのインターネットの活用に対する高い注目を踏まえ、ここでは先の2つのテスト結果を詳しく検証していくことでモノのインターネットがどのような形で将来的に供給チェーンシステムの効率化に効果を発揮していくことができるかについて見ていきたいと思います。


SCN Groceryテスト

テスト概要:

SCN Groceryテストでは、RFID搭載パレットや運送車両に搭載されたGPS、EDIメッセージ、ダッシュボード搭載型レポートツールなどを利用して、供給チェーン上における在庫の動きを完全に可視化することを目的としました。その具体的な効果としてはスケジュールに沿った配達、データ送信遅延の削減、配送状況のモニタリングなどが挙げられます。

テスト実施詳細:

このSCN GroceryテストはSobeys社の協力のもとに実施され、Whitbyにある同社の配送センターとBramptonにあるSchenker/Unilever社の施設を利用して行われ、テスト実施に当たっては、ASN、RFID(パレット用)、GPS、そしてSCN Master Scheduleなどの専用システムが利用されました。

テスト結果並びに効果:

施設間の運送時間が4時間から2時間へと50%の短縮

テストに協力したSobeys社は当テクノロジーの信頼性と有益性を高く評価

継続的なアップグレードによる高い投資利益率維持を確認

パレット単位にとどまらずケース単位で該当テクノロジーを適用させる動きが業界内で活発化


SCN Office Productsテスト

テスト概要:

SCN Office Productsテストでは、RFID搭載パレットやケース、運送車両に搭載されたGPS、EDIメッセージ、ダッシュボード搭載型レポートツールなどを利用して、供給チェーン上における在庫の動きを完全に可視化することを目的とし、その具体的な効果としてはスケジュールに沿った配達、データ送信遅延の削減、配送状況のモニタリングなどが挙げられます。

テスト実施詳細:

このSCN Office productsテストはStaples Canada社の協力のもとに実施され、Torontoにある同社のStore 3とMississaugaにあるDelivery Centre 99の2か所を利用して行われました。
また、協力企業としてはStaples 社製品全般の配送を取り扱うUPSと同社の紙製品サプライヤーであるUnisourceの2社が選ばれました。

当テストの使用システムはサプライヤー側でRFID搭載タグ、ASN(出荷明細通知)、EDI(電子データ交換)、Staples社側でFTP(ファイル転送プロトコル)によるASNアップロード、RFID対応自動データ受信・整理などになります。

テスト結果並びに効果:

SCN Office Productsテストの効果を最大限に把握するために、質・量の両面で評価基準が設定されました。

量的評価基準とテスト結果:

RFIDと手動チェックにおける比較では、RFID利用時にデータ送信時間が最大85%削減=達成

インバウンドのポータル読み取り率99.9~100%維持=不達成(97.41%)

RFIDと手動チェックにおける比較では、RFIDを利用することで受信データの誤差は1%以内に制限=達成 (後に誤差が0となる解決法も発見)

質的評価基準:

各SCN テストごとのテクロノジー性能=クリア

RFIDデバイスならびにバーコードを利用したプロセス=クリア

Store 3 および DC99におけるポータル構造の受信機能=クリア

Staples社から販売業者へ向けてのASNフォーマットならびにコミュニケーション全般=クリア

バックアップシステム接続ならびにレポート比較機能=クリア

Master schedule、 Activity hub、そしてdashboardなどの機能=クリア

これらのテクノロジーをSCN テストの全過程において効果的に適応化=クリア

これらの結果からも分かるように、RFID搭載パレットがもたらす有益性は大変多く、中でもSCN Groceryテストでは配送時間が4時間から2時間へと50%も短縮される点などは見逃すことが出来ません。つまり8時間のシフトで勤務するドライバーが通常は2回しか配送できないところを、配送コストや環境への影響を押さえつつ4回配送できる計算になるわけです。

(引用元:RFID / JuditK

同様に、配送センターにおける労働時間も50%削減させることが出来るため、1人当たりの各シフトにおける取扱量がそのまま2倍にアップするという具合です。

またOffice Productsテストにおいては店舗までの配送過程で85%ものコスト削減が実現することが分かっており、さらに配送管理を手動式で行うよりもはるかに迅速に店舗へ商品を陳列することが可能になることも確認されています。

これらをまとめると、どちらのテスト共に今から数年前に実施されたものであるにもかかわらず、モノのインターネットを搭載したRFIDパレットのもたらす効果がはっきりと見て取ることが出来ます。

ところが、このような有効性が確認されているにも関わらず、当時は関連テクノロジーのコストや設備面、インフラなどの問題があり、実際に現場での採用までには至らなかった背景があります。

加えて当時はテストに利用されたRFIDパレットは特別に製作されたものではなく、通常の木製のパレットを改造したものでした。

しかし現在はより環境に優しい形でRFID専用パレットが大量生産されており、さらに現在ではコスト面でも当時に比べておよそ80%も安くなっており、機能自体は向上してきていますので、供給チェーンにモノのインターネットシステムを適用させるには抜群のタイミングとなっているのです。

この記事はEarly ‘Internet of Things’ Pilots Proved Supply Chain Benefits of RFID Palletsの記事をUsable IoT blogが日本向けに編集したものです。

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