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海外Parking最前線~駐車場管理は「クラウドパーキング」の時代へ~

2015年に中国のNational Development and Reform Commissionが発行したGuidance on Further Perfecting Policy of Motor Vehicle Parking Feesの中で、国内の駐車場に関連した問題の解決策として今後最新テクノロジーを積極的に採用していく必要性が強調されています。

例えば北京のMetro Park Lido Hotelでは、駐車場に入庫する際にゲートが自動的に開きドライバーが止まることなくそのまま中へ進むことができるETCPと呼ばれるシステムが採用されています。

具体的には、カメラを使って車のナンバーを認識し自動的にアカウントにアクセスし、出庫時に駐車時間を計算してアカウントから費用を引き出して後日メールでユーザーにお知らせが送られてくるという仕組みです。

ETCPを数か月ほど利用しているというリー氏は、駐車場に入る度に車を止めて支払いを行わなくて済むので大変便利だと話しています。事前にクレジットカードからアカウントに入金しておくだけで自然に支払いが行われるのはもちろん、「1つのアプリに3台分の情報を管理できるので家族全員の車の分を登録しておけばとても便利です」とは同氏の弁です。

また単に支払いの面で便利だというだけでなく、インターネットに接続しているので駐車場の空き状況をクラウドツールを通してリアルタイムに把握することができるのも特長です。従ってドライバーとしては空いている駐車場を探して右往左往する時間を節約できる一方、駐車場の回転効率も上がり一石二鳥という訳です。

世界規模での需要拡大

ここ20年間で中国国内の自家用車普及率は急速に拡大をしており、日常生活において欠かせないものとなってきています。例えば、北京では2015年11月現在で自家用車登録台数は561万台を超えています。

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それと同時に、各都市における駐車場問題も深刻化してきているのが現状で、データ解析エージェントiResearchによる発表では北京・上海・広州・深圳といった主要都市では駐車場不備率が平均で76.3%にも上る事が分かっています。

特に北京では固定駐車場を持つ自家用車の割合はわずか30%で、深圳に至ってはその数字は20%以下にまで落ち込みます。

その一方で、駐車スペースの空き率は平均して44.6%と高いにもかかわらず、そのスペースを有効活用させるための最新テクノロジーを採用した駐車場は10%以下という状況も見逃せません。

このような駐車場問題の表面化を受けて、2015年8月より本格的に駐車場の建設が始まると同時に、各プロジェクトで駐車場の回転率の効率化にも力がそそがれるようになりました。

当然ながら需要と供給のバランスの維持が一番の課題となるのですが、最新テクロノジーを駆使したスマートパーキングシステムを活用することで、この問題を解決すると同時にマーケティング上での効果も期待できるのです。

駐車場管理業界の現状

すでに駐車場管理はそれ自体で業界と呼べるほど規模が大きくなっており、正確な情報の提供と同時に管理体制の強化などを含めた業界自体の発展がここにきて求められています。

これまでのところ前出のETCPが業界内では最も大きなマーケットシェアを誇り、中国国内主要都市2,000箇所以上の駐車場にその技術が採用されています。

同社のCEOタン・ロング氏はETCPの持つ高い技術力を成功のカギに挙げていますが、2008年の時点ですでにハイテク駐車場ビジネスに参入し、車を止めることなく出入庫を実現するテクノロジーの開発に多くの時間と予算を費やしてくるなど同社の先見の明がここにきて実を結んでいるとも言えるでしょう。

ロング氏は「ETCPの高速レーンゲートとナンバープレート認識高画質カメラの組み合わせにより、ゲート棒をその長さや種類に関わらずわずか2秒で上げることができ、その結果ドライバーは車を一時停車させることなく出入庫できるのです」と説明し、このシステムによって駐車場の回転効率スピードを8~10倍にまで引き上げることが可能になると話します。

それと同時に駐車場管理にインターネットを利用するという事はBaidu、Alibaba、そしてTencentといった中国国内の大手と提携し、AlipayやWeChatといったアプリを必然的に活用することとなりますが、ここで重要になってくるのは常に十分な駐車スペースを確保できるようにするという点です。つまり駐車場間でのネットワークを確立させることで、ドライバーが簡単に近隣の駐車場を見つけ出すことができるようにシステムを整えていくことが必要不可欠という訳です。

これまでの調査では、利用者にとってハイテクノロジー駐車場は駐車価格よりも利便性が優先されることが分かっており、比較的早いスピードで規模拡大が求められていますが、現段階では運営サイドの経営モデルはまだはっきりと確立されているとは言えず、短い期間での利益を考えるよりはより長い目で考えている企業がほとんどです。

将来的にはこういったシステムが始めから標準装備されており無償で提供されることも増えてくるかもしれません。事実、前出のロング氏はすでにこれを実施しており、システムの販売で得る利益よりもそのシステムを活用して多くの利用者を頻繁に獲得し、駐車場内の広告収入などを通しての利益を優先していた考えをしています。加えてこのシステムを通して得られる莫大な量の利用者情報にこそマーケティングにおける本当の意味での宝が眠っているのです。

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この記事は“Cloud” parking round the cornerをeCoPAブログが日本向けに編集したものです。

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