Ubiquitous

IoTの原点、ユビキタスからインダストリー4.0まで

“あらゆるところにある”、ユビキタス

1980年代後半に、「ユビキタス」という言葉が流行ったのを覚えていますか?正確には、「ユビキタス・コンピューティング」です。ユビキタスとは、「あらゆるところにある」という意味です。コンピュータがすべてのものにつながり、いろいろなところに常時存在している状態です。いたるところに遍在し、いつでもどこでも環境にアクセスできる状態を指します。ユビキタスが普及することによって、場所を問わず働いたり遊んだりすることができます。ユビキタス・コンピューティングやユビキタス社会、といった言葉も生まれました。
これは、今でいうところの「IoT」の概念と非常に似ていることに気付いた方も多くいらっしゃるでしょう。

関連記事:IoTの歴史的背景はご存知ですか?実は1999年には存在していた?

大勢で使う、初期コンピュータの頃

コンピュータは、初期の頃はメインフレームが主流でした。一台のメインコンピュータに複数の人がアクセスし、共同で多くの人がコンピュータリソースをシェアします。パソコンが主流になる前までは、大勢の人が一台のメインフレームを使って仕事を進めていました。

一人一台、パーソナルコンピュータの時代

その次に来たのがパソコンの時代です。パーソナルコンピュータという通り、個人用のコンピュータです。パソコンは価格が一定の割に性能がどんどん向上してゆき、2000年頃にはまだまだパソコンを持っている人は限られた一部のエリート、もしくはギークだけだったのですが、今では一般に広く普及しています。ひとり1台といっても過言ではなく、十分に行き渡っているように感じられます。

一人で何台も、ユビキタスコンピューティング

そして、その後に来たのが、第三の世代であるユビキタス・コンピューティングの時代です。ひとりで何台ものコンピュータを操るようになり、いたるところにコンピュータが存在するため、ユビキタス・コンピューティングと名づけられたのです。

ユビキタス・コンピューティングの個性

これは、ゼロックスのパロアルト研究所のマーク・ワイザーが提唱したものです。そして、さらにユビキタス・コンピューティングの特徴として、次のふたつの個性を掲げました。

それは、第一の個性に、コンピュータが可視化できなくなるということです。メインフレームの時代もパソコンの時代も、コンピュータは目に見えました。ですが、ユビキタス・コンピューティングの時代には、タイピングをせずとも声を出すだけで、どこかでコンピュータが業務を担ってくれます。

第二の個性は、コンピュータ同士がつながって、大切なデータをお互いにやりとりしあうようになるというものです。

この考えは1990年代にはマーク・ワイザーがなくなった頃と同時期に終焉を迎えます。ですが、考え方そのものは、さまざまな研究者の心の中に残り続けました。そして、今では、Internet of Things(モノのインターネット)として、再び脚光を浴びているのです。
ユビキタス・コンピューティングは2000年頃には特に大きな注目を集めるテーマとなり、流行しました。とりわけ日本ではブームで、新聞や一般的な書籍にも、ユビキタスという言葉が取り上げられるようになりました。

pc_network

コンピュータが「見えなくなる」とは?

コンピュータが見えなくなるというのはどういう意味なのでしょうか。実はコンピュータは、昔はマシン語で命令を書いて実行し、データを格納していました。コンピュータの状態が手に取るようにわかり、「見えて」いました。

ですが、マシン語から徐々に人間が見て理解できる高級言語に置き換わり、マシン語の命令などは「見えなく」なりました。システムコールなどのネイティブ動作も見えなくなり、パソコンにはデバイスを差し込むだけで認識し、接続部分の仕様なども意識することがなくなりました。

いくら家電製品などにプロセッサが搭載されているからといっても、そのプロセッサは人間には見えません。そして、徐々に、一部の限られたプロフェッショナルだけでなく、一般の人へもコンピュータや最新家電が広まっていったのです。古いパソコンのように、手間ひまかけて操作しなくてはならないものが数多く家のなかにあっては大変です。

半導体が発展するにしたがって、プロセッサが小型化し、安価になりました。大量生産されるようになり、ユビキタス時代が到来したのです。そして、ネットワークにまでつながるようになり、ネットワーク回線が安価になるにしたがって、小型化されたマシン同士がネットワークで接続し、さらにはクラウドとつながることによって、今のIoTとなったのです。

社会のあらゆる場所にコンピュータが存在し、接続しあって、相互に情報を交換しあう。そんな未来が訪れようとしています。1989年に提唱されたこのユビキタスという概念も、今や当たり前のものになりつつあります。IoTは、新しいシステムのように感じますが、実は意外と古くからある概念で、歴史があり、また同時にコンピュータの歴史と密接に関連づいているものでもあることが、これでお分かりいただけたかと思います。

pc

ユビキタス・コンピューティングは、家電や自動車なども含む

ユビキタス・コンピューティングはパソコンやスマートフォンだけでなく、冷蔵庫、テレビ、洗濯機などの家電製品から、自動車や自動販売機なども、ネットに接続します。ウェアラブル・コンピュータという身につけるコンピュータなども視野にいれています。無線でつながることができ、動作は自由です。IPv6によって、アドレスが無限に使えるようにもなります。
ウェアラブル・コンピュータは、いまやスマートウォッチやスマートグラスなどの身につける製品として実用化されました。1980年代に予言されたことが、そのまま現実となったのです。これらも、コンピュータを組み込んだ機器として、優れているばかりか、さらに発展する可能性のあるデバイスです。ウェアラブル・コンピュータは、インタラクティブ(双方向的)なため、IoTとしては最適な製品といえるでしょう。
まさにモノがインターネットにつながる時代にふさわしく、既存の製品を邪魔せず、上手にインターネットを日用品の中に取り込んでいます。

ble

IoTからインダストリー4.0へ

IoTからインダストリー4.0の発展も視野に入っています。インダストリー4.0とは、「第四次産業革命」のことで、工業国のドイツが、産業、とくに工業を発展させ、中国や日本などのライバルに市場で打ち勝っていくために提唱された生産革命です。ドイツの産官学が連携して、共同研究をおこなっています。

モノ同士がつながり、たとえば工場では、生産ラインと監視カメラや外部のサービスと結ばれ、工場が自動で稼働するようになります。IoTは、モノのインターネット、という意味なので、デバイスやセンサーをつなげるだけがIoTではありません。さまざまな外部サービスと連携して、工場のオートメーションが実現します。

インダストリー4.0が実現するには、あらゆるモノがインターネットにつながるほど、社会が成熟している必要があります。世の中のいろいろなモノが情報を交換し、クラウドにそのデータを集積して、IoTを広く普及していく必要があるでしょう。ドイツではすでにそのこころみが実現しつつあります。

industory4.0

まとめ:ユビキタスとはIoTの原点

IoTという言葉そのものは、1999年にマサチューセッツ工科大学のケビン・アシュトンが提唱しています。2000年台になる前から、IoTという言葉はあったのです。ですが、ようやく2010年台後半になってはじめて、一気にメジャーになってきます。

モノにコンピュータを搭載し、モノをインターネットでつなげるという試みは、ユビキタスという言葉で古くから親しまれてきました。いまはIoTの時代になって、ユビキタスという言葉は古びてしまいましたが、モノのインターネットという概念は継承されています。

PR:プロトタイプで始めるIoT!「IoT製作室」ならプロトタイプからプロジェクトがスタートできます

エスキュービズムには、様々な業種別のIoTプロトタイプ製品があり、そのノウハウをベースに製作期間の短縮、予算の圧縮をすることが可能です。
開発、試作、テストを繰り返し、より良いIoT製品に作り上げることができます。

img10

関連記事

訪日外国人客が集まる街へ インバウンド地方創生プロジェクト
エスキュービズムニュースレター!
IoT用語辞典
お役立ち資料
無料ダウンロード
ページ上部へ戻る

運営者

  • 株式会社エスキュービズム
  • 〒105-0011 東京都港区芝公園2-4-1芝パークビル A館 4階
  • TEL : 03-6430-6730(代表)
  • HP:https://s-cubism.jp/