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オフショア開発の今までと、これから待っているであろう未来

オフショア開発とは、海外企業もしくは海外子会社にソフトウェア開発を委託することです。開発する分野は多岐にわたり、業務用システムからアプリ開発、運用保守までがオフショア開発の対象になります。40%~50%の日本のシステム開発企業がオフショア開発を行っているというデータがあるほど、開発分野では一般的になっています。

オフショア開発は今、どんな状況なのか、下記のポイントについて解説していきます。

  • オフショア開発は人件費削減に多大な効果
  • オフショア開発拠点は主にインド、中国、ベトナム
  • すべての工程を任せるのではなく、開発フェーズを切り取って委託すべき

日本のシステム会社がオフショア開発をするワケ

日本にもたくさんのシステム開発会社がありますので、別の国内システム会社に開発を委託することはできます。それにもかかわらず、わざわざ海外企業に委託するのには当然ながら理由があります。
それは主に下記のような理由です。

  1. 人件費が安い
  2. 人材を確保しやすい
  3. 言語障壁が低い

1.人件費が安い

第一に人件費が安いという点が挙げられます。オフショア開発は自国より人件費が安い海外企業に発注することで原価を抑えて利益を大きく得る事ができます。そのため、外注する企業は基本的に新興国のシステム開発会社です。国の特性上、仕事に対するモチベーションが高い人材が多く、かつ人件費を抑えられるため、企業にとってはコストパフォーマンスに優れています。

2.人材を確保しやすい

次に人材を確保しやすいといった点があります。日本ではシステムエンジニア不足のため、人材確保がかなり難しいのです。どれだけ高待遇で人材募集してもシステムエンジニアは集まりません。それほど技術者不足が深刻化している現状があります。一方、海外の国では官民合同でIT教育を実施していたりするので、職業としてもシステムエンジニアは人気があり、システムエンジニアの数も全体的に多いです。

3.言語障壁が低い

システム開発に使うプログラミング言語は世界共通です。C言語やJava、PHPはどこの国でも使えますし、言語はアルファベット表記で統一されています。そのため会話はできなくてもプログラミング言語を通して意思疎通を図ることができます。つまり一般的なビジネスで発生するような言語障壁がオフショア開発では低い傾向にあります。

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オフショア開発で人気の国

オフショア開発では拠点として選ぶ国が重要です。安価で優秀な人材を確保できればベストです。

インド

IT大国と言えばインドです。インドには優秀な技術者が多く、世界的なIT企業のCEOにはインド人が名を連ねています。もともと欧米企業のオフショア開発拠点となっていたためオフショア開発の歴史は古いのが特徴です。インド人は英語を話せるため欧米企業がインドを拠点とするのは自然の成り行きです。

中国

人口12億人を抱える中国は圧倒的にIT技術者の人数が多いです。全人口に対するシステムエンジニアの割合は標準的だとしても、母数が違います。圧倒的な人数です。国土が広い割にIT企業は沿岸都市に拠点があるため日本との時差が少なく、リアルタイムで仕事を進められます。

ベトナム

ベトナムは今、勢いがあるオフショア開発拠点国の一つです。国がIT教育を強く推進しているため優れた技術者の割合が高いです。またベトナム人特有の真面目な性格は日本人と通じるものがあるので、仕事を進めやすいです。国同士が良好な関係なので、親日家が多い点も拠点として人気な理由です。

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日本企業がオフショア開発で苦戦している

このようにオフショア開発は魅力しかないように思えます。しかしながらオフショア開発をスムーズに進めている日本企業は実はごくわずかで、多くの日本企業がオフショア開発で苦戦しています。その理由は大きく3点あります。

  1. 人件費上昇
  2. 政治的要因
  3. 仕事に対する意識

人件費上昇

まずは仕事に対する意識人件費の上昇です。オフショア開発を委託する国は新興国が多いため、経済規模は日に日に大きくなっていきます。すると当然ですが、従業員の人件費もそれに伴って上がっていきます。経済拡大のスピードが速い分、人件費上昇のスピードも速いです。
そのような結果、拠点を持って数年もすれば日本人エンジニアと大差ないほどに人件費が上昇しますので、オフショア開発をする魅力がなくなってしまいます。インドや中国では人件費の上昇が顕著となり、撤退する企業が相次いでいます。

政治的要因

政治的な要因もオフショア開発のリスクです。国としては都合の良い(=人件費が安い)時だけ自国に拠点を構えて、人件費が高騰してくると他の国に移るような企業は歓迎しにくいものです。そのため場合によっては、海外進出が困難になる可能性もあります。また国内情勢も大きく影響します。政治体制が不安定になると、国内の治安が悪化し、企業活動に大きな影響を及ぼすことがあります。

仕事に対する意識

仕事に対する意識は国によって違います。日本人は良くも悪くも真面目に仕事をこなしますが、オフショア拠点先の人々は同じ感覚ではありません。
順調に開発が進んでいると報告を受けていたのに、フタを開けてみたら全然進んでいなかった、別の方向に進んでいたなんていう事もあり得ます。

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ラボ契約が人気

オフショア開発には大きく分けて受託契約とラボ契約という2つの契約形態がありますが、上記のようにオフショア開発に苦戦している要因を少しでも減らすためには、ラボ契約という形態がおすすめです。
ラボ契約とは、半年間あるいは1年契約で発注する仕事量の最低保証を行う契約です。先方には自社の専属チームを作ってもらうことで、人材を囲い込めるメリットがありますが、一方で仕事がなくても発注しないといけないといったリスクもあります。
オフショアで受託開発を発注する場合は案件ごとに取引することになるので、その度に取引会社と信頼関係を醸成する必要があります。これがなかなか手間で時間がかかります。それよりもラボ契約を結んで同じシステム開発会社と継続して複数案件をこなしていった方が、お互いを理解しあっているのでスムーズに仕事が進められることが多くあります。

どこの工程を任せるべきか

とは言うもののすべての工程を海外の会社に任せるにはリスクが伴います。そのため開発フェーズを切り分けて依頼した方がリスクを抑えることができます。
上流工程は基本設計や詳細設計などシステム開発の指針になる部分です。この工程も発注した方がトータル的なコストは削減できますが、上流工程はシステム開発の根幹をなすところですので、最初のうちは日本人が行った方が無難です。システム開発では、上流工程で発生したミスほど、結果的に高コストが発生します。そのため最初は上流工程よりも下流工程(プログラミング、テストなど)を発注して、後々仕事の進め方を理解してもらってから上流工程も発注する方がベターです。

オフショア開発の今後

人件費高騰によりインドや中国はオフショア開発が敬遠されはじめているので、今はベトナムが一番人気です。しかしベトナムもいずれは経済規模が大きくなり、人件費が高騰するでしょう。
結局のところ、オフショア開発はこの繰り返しです。まだまだ新興国でオフショア開発拠点となりえる国はありますので、向こう10年はオフショア開発が継続的に行われるでしょうが、人材確保は前ほど簡単ではありません。単価も上がる傾向にあります。
そのため日本企業としてはオフショア開発をしつつも、社内で日本人システムエンジニアを作り出す(教育する)方向性をもっと真剣に考えるべきかもしれません。高単価になったとしても安心して仕事を任せられる日本人システムエンジニアの確保が将来的には必要になりそうです。

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