確定申告

確定申告とは何か?年末調整との違いや必要なものを紹介します

「確定申告めんどくさい…」
毎年2月下旬から3月上旬にかけて、多くの日本国民からそんな声がこぼれてくるかと思います。
とはいえ、「生まれてこの方、一度も確定申告やったことがないよ」という方もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事では「そもそも確定申告とは何か」というところから始まり、

  • 確定申告と年末調整との違い
  • 誰がやるべきなのか
  • どのタイミングで、何を準備しておけばいいか
  • 白色申告と青色申告って何が違うの

といった確定申告の「いろは」をご紹介いたします。

確定申告とは

確定申告は、国民1人1人が納めるべき税金の金額を決めるために行う、国への申告制度のことです。
この”納めるべき税金”というのが、たとえ同じ年収であったとしても、家族構成や収入の内訳などによって変わってきます。
自身の年収や家族状況などを反映させて、その人にあった適切な金額の税金を納める作業が確定申告なのです。

理想をいえば、国のほうで国民全員の年収などを把握し税額を計算したいところ。
しかし、現実問題として1億人の状況をチェックするのは厳しいですよね。
そのため「2~3月のあいだに去年の年収とかを自分で報告してね」という自己申告のスタイルになっています。

納めるべき税金ってどうやって決まるの?確定申告前に計算するべき3つのステップ

確定申告のゴールが納める税金を決めることとお話しましたが、「それが難しいんじゃないの…?」と不安に思う方も多いはず。

実は、税額を算出することはそんなに難しいことではありません!

ざっくりとした流れではありますが、次の3ステップで納めるべき税金を計算することができるんです。

  • ステップ1:売上から必要経費を引き所得を計算する
  • ステップ2:所得から控除を差し引く
  • ステップ3:課税対象額に15%をかける

一つずつ詳しく見ていきましょう。

ステップ1:売上から必要経費を引き、所得を求める

まずはその年の所得、いわゆる利益を計算します。
所得は売上から必要経費を引いた金額です。

もう少し具体的に、飲食店を例に挙げて考えてみますね。
お店の売り上げが1,000万円、それを売り上げるのに使った材料費や光熱費、人件費などの必要経費が700万円かかったとします。
そうすると、この飲食店の所得(利益)は
所得 = 売上 - 必要経費 = 1,000万円 - 700万円
で300万円となります。

ちなみに、会社員の方であれば保険料などが引かれる前の”支給額”が売上です。
会社員の経費は「給与所得控除」と呼ばれ、年収に合わせて一定の金額が引かれるようになっています。

とにかく売上から必要経費を引いた残りが所得。
確定申告で「所得」といった場合には、基本的に「売上から必要経費を引いた利益分」と考えてくださいね。

ステップ2:所得から控除を差し引く

控除というのは、所得の中でも「この部分には税金をかけないでください」といって差し引けるものです。
この控除がないとどうなるのか。
先ほどの所得が300万円の飲食店を例にして考えてみましょう。

お店の利益である300万円は、自分の生活費に充てたり、奥さんや子供がいたりする場合は家族を養わなければいけませんよね。
もし所得全額に税金をかけられたとしたら、
「せっかく頑張って稼いだのに、手元にお金が残らないじゃん……」
ということになってしまいます。

なので、自分が生きていくうえで必要な生活費(「基礎控除」と言われます)や、家族を養う分(「配偶者控除」「扶養控除」などがあります)は、あらかじめ税金の対象からは外しておくことができます。
これがいわゆる「控除」というものです。

控除はいくつか種類あるので、その中から自分に当てはまるものを選んで計算していきます。
といっても今は、家族構成などの必要情報を記入するだけで、システムが自動的に控除額を計算してくれるようになりました。

ステップ3:課税対象額に15%をかける

所得から控除を差し引くと、残った金額は「課税対象額」と呼ばれます。
文字どおり、税金を課す対象となる金額、です。

この課税対象額の一定割合が、実際に税金として支払うことになります。
所得によってこのパーセンテージは違うのですが、日本では最低15%~(※)です。

具体的な金額を出してみます。

飲食店経営のAさん(35歳)

  • パート勤めの妻が1人
  • 子供なし
  • 所得:300万円
  • 控除:基礎控除 38万円 + 配偶者控除 38万円 + 社会保険料控除 60万円 + 寄附金控除 10万円= 146万円
  • 課税対象額=300万円 - 146万円 =154万円
  • 納めるべき税金=154万円 × 15% = 23.1万円

この税額に対し、今年支払ってきた税金が多ければ差額を還付、足りなければ不足分を追加で支払うことになります。

以上が、納めるべき税金を出すまでの3ステップでした。
おさらいしておくと、

  • ステップ1:売上から必要経費を引き所得を求める
  • ステップ2:所得から控除を差し引く
  • ステップ3:課税対象額に15%をかける

の3つ。
実際にはもう少し細かな調整がありますが、大まかな流れはこのような感じになります。

あえて数式を使いませんでしたが、一言で表すのなら、
「納める税金=((売上ー必要経費)-控除)×15%」
としてまとめることもできます。

※ 計算を簡単にするために、所得税5%・住民税10%としています。

年末調整と確定申告、中身は同じ!

「じゃあ、年末調整と確定申告って何が違うの?」
という声が聞こえてくるかと思います。
結論からいうと実はこの2つ、やっていることは同じなのです。

会社員の人は身に覚えがあると思いますが、毎月のお給料から所得税が引かれていますよね。
この所得税って、
「Aさんの年収はこれぐらいになりそうだから、とりあえずこれだけ引いておこう」
といった概算で決められているのです。

それが年末になるとAさんの年収が確定。
改めて必要な所得税を計算した結果、
「所得税を取りすぎていた」
「所得税が取り足りない…」
ということが起こります(だいたいは多く取って、年末調整で還付するのですが)。

この過不足を調整する作業が、いわゆる「年末調整」です。
年末調整と確定申告は、名前は違えどやることは同じなので、

● 会社員は年末調整がある
→ 確定申告の代わりになるので確定申告しない
→ 会社員は確定申告不要

ということになります。
ただし、会社員でも確定申告が必要な場合/やったほうがいい場合がありますので、次章で詳しくお伝えいたしますね。

会社員で確定申告が必要な人って?

年末調整があるため、会社員は確定申告をしなくてもいいことになっています。
ただし、以下のいずれかに当てはまる場合は確定申告をする必要がある、もしくはした方がお得になります。

  • 会社員の年収が2,000万円を超えている
  • 副業をしていて、副業の所得が20万円を超えた
  • 年末調整した会社とは別に、給料をもらっているところがある(パート・アルバイトを含む)
  • ふるさと納税や医療費控除などを受けたい人
  • 住宅ローンを組んだ人

これも詳しく見ていきますね。

1. 会社員の年収が2,000万円を超えている

年収が2,000万円を超える会社員の場合、先ほどお話した年末調整の対象外となってしまいます。
そのため、納めるべき税金を自身で算出する必要があるため、確定申告をしなくてはいけません。

2. 副業をしていて、副業の所得が20万円を超えた

ブログでの広告収入や株の配当金など、そうした副業の所得が20万円を超えた場合は、確定申告が必要になります。
なぜかと言いますと、年末調整で定めた税額(これは給与所得だけでしたね)と副業を含めて計算した税額に差がでる可能性があるからです。

本来なら15万円の税金を納めるところ、確定申告せず10万円しか納めていなかった場合、いわゆる脱税になります。
ただし、副業の所得が20万円以下の場合は確定申告をする必要はありません。

3. 年末調整した会社とは別に、給料をもらっているところがある(パート・アルバイトを含む)

昼間は会社員で夜は居酒屋でアルバイトをしているなど、2か所以上からお給料をもらっている場合も確定申告は必要となります。
この場合、先ほどの「2. 副業をしていて、副業の所得が20万円を超えた」とは違って、1円でももらっていたら確定申告をしなくてはなりません。

年末調整はその会社ごとで行われるので、2か所の給与を合算したうえで、改めて所得税などの金額を計算しなくてはいけないからです。
今はまだレアケースですが「2か所以上で正社員をやっている」という場合も、このパターンに該当します。

4. ふるさと納税や医療費控除などを受けたい人

ふるさと納税をして寄附金控除を受けたい方や医療費がかさんだため医療費控除を利用したい、という方は確定申告をした方がお得になります。
このケースはあくまで、「控除を使うことで支払う税金を安く抑えられる」というだけです。
年末調整で必要な税額はでているので、仮に確定申告をしなかったとしても特に問題はありません。

余談:ふるさと納税はあくまで控除が増えるだけ

よく勘違いされている方がいらっしゃいますが、ふるさと納税はお金がそのまま戻ってくるわけではありません。
ふるさと納税は「寄附金控除」という控除が使えるだけであり、

 ● 控除金額が増えることで、課税対象額が少なくなる(課税対象額=所得ー控除)
 → 納めるべき税金が少なくなる
 → 年末調整で決めた金額よりも支払う税金が少なくなるので、結果的にお金が戻ってくる

という感じなので、直接お金が戻ってくるわけではありません。注意してくださいね。

5. 住宅ローンを組んだ人

その年度に住宅ローンを組んだ人は、確定申告をすることで税金がお得になります。
住宅借入金等特別控除(別称:住宅ローン控除)が使え、課税対象額を少なくすることができるからです。

先ほどのふるさと納税などと同じで、確定申告をしなくても何ら問題はありません。
ただし、住宅ローン控除は最初の1年目だけ確定申告をすれば、2年目以降は確定申告をせずとも自動的に控除されるようになります。
ここが、毎年申請が必要な寄附金控除や医療費控除などとの大きな違いといえるでしょう。

例外的にやらなくていい人はコチラ

確定申告は基本的に全員やる必要がありますが、例外的にやらなくてもいい場合もあります。
例外として確定申告を免除されるのは、次の4つがあります。

  • a. 年収2,000万円以下の会社員で、副業所得が20万円以下の方
  • b. 所得が38万円以下の自営業の方
  • c. パートやアルバイトの収入が103万円以下の方
  • d. 公的年金の収入が400万円以下で、それ以外の所得が20万円以下の方

a. については上記でお話したとおりです。
勤めている会社で年末調整をされるため、確定申告をする必要はありません。

詳しい計算は省きますが、b. やc. については控除を使うことで課税対象額が0円、すなわち納めるべき税金が0円になります。
ちょっと悲しい気もしますが
「確定申告をしても税金0円だから、しなくても罰則ないし免除してあげる」
といった具合でしょうか。

d. のケースについては、国の方でそうしたルールを設けており、確定申告が不要となっています。

ここまで会社員で確定申告が必要、もしくはした方がいいケースをお話してきました。
では具体的に確定申告っていつやるのか、また用意しておくものは何なのかを、次の章でお伝えできればと思います。

確定申告っていつやるの?必要なものは?

いざ自分が確定申告をやることになっても、どの時期に何をすればいいのか、初めてではわからないことだらけですよね。
この章では、確定申告の時期・方法・必要な持ち物についてお話いたします。

毎年2/16~3/15に行われる

 
確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの間に申告を行い、追加で税金を納める方はこの期間中に納税をします。
開始日・終了日が土日と重なる場合、次の平日が開始日・終了日となります。

ちなみに2019年(2018年度)の確定申告は、
2019年2月18日(月)~2019年3月15日(金)
となっています。

本来の開始日である2月16日が土曜日であるため、次の月曜日である18日に開始がずれたパターンですね。

持ち物はこの6つを準備しておけばOK

準備しておくものは大きく分けて次の6つとなります。

  • 確定申告書
  • マイナンバーカード、もしくはマイナンバー通知カード&身元確認書類
  • 源泉徴収票の原本
  • 控除を受けるための資料(寄附金受領証明書、医療費控除明細書など)
  • 還付される税金を受け取るための銀行口座情報
  • 印鑑

確定申告書は税務署などからもらって手書きで書くか、今ではe-TAXなどを使ってPCで作ることができます。
申告書の中にマイナンバーを記載するところがあるため、その確認のために「マイナンバーカード」もしくは「マイナンバー通知カードと身元確認書類」のいずれかが必要となります。

▼e-TAXを使って確定申告書を作る場合はコチラから
国税庁「所得税(確定申告書等作成コーナー)」

会社員の方は年明け1月ごろに源泉徴収票をもらえますので、その原本を申告書に貼りつけて提出してください。
ふるさと納税などで控除を受ける場合でも、それらを証明する書類を貼りつけて一緒に提出します。
還付される金額がある場合、それを受け取るための口座情報も忘れないように気をつけてくださいね。

期間内に税務署に行くか、郵送で書類を送る

必要書類をそろえたら上記の期日までに最寄の税務署に行くか、税務署に郵送で必要書類を送ります。
とはいえ、一部を除いて税務署は基本的に平日しかやっておりませんので、会社員の方であれば郵送で書類を送るのがいいでしょう。

税務署はどこでもいいわけではなく、お住いの地域を管轄している税務署となります。
自分の地域の税務署がわからない場合は国税庁のページで調べることができるので、先に調べておくのをおすすめします。

▼税務署の所在地などを知りたい方はコチラから
国税庁「税務署の所在地などを知りたい方」

税金の還付は書類の受理から1か月ほどかかる

無事に書類が受け付けられたら、あとは還付金が振り込まれるのを待つだけとなります。
還付金が入るまで1か月~1か月半ぐらいかかると言われていますが、申告開始直後(2月16日など)に申告をすると2~3週間で振り込まれることもあるようです。

ここまでお伝えした内容は国税庁のページにも載っておりますので、参考にしてみてくださいね。

国税庁「平成29年度 確定申告特集」

これで確定申告はバッチリ……かと思いきや実は確定申告には大きく分けて2種類あるのをご存知でしたか?

どっちがお得?確定申告の白色申告と青色申告

確定申告には、白色申告と青色申告の2種類があります。
もしかしたら名前くらい耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

厳密には青色申告の中でもさらに2つにわかれるのですが、ここではわかりやすく白色と青色の違いに絞ってお伝えしますね。

そもそも何が違うの?

「売上から必要経費を引いて所得をだし、そこに控除を差し引いて税額を計算する」
この流れそのものは白色も青色も変わりません。

違いとしては、白色よりも青色の方がちょっとだけ帳簿の手間がかかるという点でしょうか。
その代わりとして、10万円(もしくは65万円)の控除がもらえるようになります。

青色申告をするには開業届を出さなくてはならない

青色申告をするためには、税務署に開業届を出すのが条件となります。
開業届というのは、「自分は●●のお仕事をメインにやっていきますよ」と宣言する書類です。
必要項目を記入さえすれば、誰でも開業届を出すことができます。

開業届を出すタイミングで青色申告の申請書をもらえますので、同じときに提出してしまいましょう。

個人事業主なら青色がお得!会社員は白色のみ。

じゃあ、全員がお得な青色申告をできるかと言ったら、実はそういうわけではありません。
青色申告をできるのは、

  • 不動産の事業をやっている人(不動産所得者)
  • 自営業やフリーランスの人(事業所得者)
  • 山林を伐採して売ったりしている人(山林所得者)

の3つだけです。
頭文字をとって「ふ(不動産)じ(事業)さん(山林)は青い(青色申告)」なんて言われたりもします。

そのため、会社員の方であれば迷わず白色申告を。
もしみなさんが自営業やフリーランスの方であれば、ちょっとお得になる青色申告をするのがおすすめです。

まとめ

ここまで、確定申告の基本をみなさんにお伝えしてきました。
その内容を簡単におさらいすると、

  • 確定申告は、納めるべき税金の金額を決めるためにやる
  • 売上と必要経費から所得をだして、そこから控除を引くことで税額がわかる
  • 年末調整とやることは同じ。条件によっては年末調整していても確定申告をする必要がある
  • 毎年2/16~3/15の間に、税務署に行くか郵送で必要書類を送る
  • 白色申告よりも青色申告の方がお得。ただし、会社員は白色申告しかできない

となります。
みなさんが抱える確定申告のモヤモヤが、この記事を読んで少しでも晴れたら幸いです。

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