テクロノジー業界ではここにきて「モノのインターネット(通称:IoT)」が持つ独自の可能性について注目が集まっているのですが、実は一般社会においてはまだこの概念が浸透しているとは言えないのが現状です。そこでこのギャップの原因を探るべく、情報分析を専門とするAffinnova社がこの度4000人の消費者を対象に調査を実施しました。

その結果の中でまず目を留めたいのは、一般的に最新テクノロジーへの信頼度は絶大であるものの、具体的に最新機器にどのような機能を求めるかという質問に対しては明確な答えが出せていないという事実です。

例えば57%の回答者が「革命的という観点から考えるとモノのインターネットの持つ可能性はスマートフォンと同等である」と実感しているものの、ではどのような形で我々の日常生活の中で活用されているのか、またはなぜそれほどまでに革命的進歩であると言えるのか、といった説明は上手くできないのです。さらに、92%はこれらの最新テクノロジーに具体的に何を期待するのかを上手く説明するのは難しいと答えています。それでも実際にモノのインターネットが活用されている例を目にすると、それが便利で自分に役立つものかそうでないのかをしっかり判断することが出来るのですから面白いものです。

このような現状を踏まえて、今回の調査では対象となった4000人の消費者に異なる「スマートテクノロジー」を活用した商品コンセプトを提示したうえで、各自がどの機能に興味を持つかを把握することを目指しました。

次からは「消費者がモノのインターネットの積極利用に対して二の足を踏む原因は何か?」この疑問に対する答えを見つけ出すために調査対象者の回答を徹底分析した結果を見ていきたいと思います。


モノのインターネットに求める機能とは

主導権はあくまでもユーザー(人間)が握る

スマート機器を使って身の回りの事を自動に処理できるというのは確かに響きが良いかもしれませんが、実際にテクノロジーに意思決定を完全に委ねるという事に対して絶大の信頼を置いているという人はほとんどいません。その際には、人間が普通はしないような形で意思決定をしかねないという点が懸念されているのです。特に商品購入などを自動化してしまうと、必要以上の数量をオーダーしたり、その時の状況に応じて柔軟に対応できないという問題点が出てきかねません。

プライバシー保護の徹底

この他にもまだまだ不安点は尽きません。最新の主要テクノロジーに関しては、消費者の多くがモノのインターネットの利用におけるプライバシー保護やセキュリティーに関して最も懸念しており、回答者のうち53%が「個人データが自分の承認無しに知らないところでシェアされている可能性」、また51%は「自分のデータが他のユーザーによってハッキングされる危険性」を心配しています。また、プライバシー保護やセキュリティーに関しては男性よりも女性の方が敏感になっているという結果が出ています。

「学習機能」は必須

(引用元:Learning / CollegeDegrees360

スマート機器には確かに最先端の技術が凝縮されていますが、全ての面において消費者を満足させているかというとそうでもありません。例えば個別対応サービス機能の代表格である「最近の閲覧履歴に基づいたおススメ商品の提案」などは特に目新しくはなく、消費者の需要を満たしているわけでもありません。では、どのような機能が消費者にとって魅力的なものかと考えた時に、これまでに記録された個人情報や他のシステム上にある過去の情報を集めた上で活用していくという事がカギとなります。具体的にはユーザーの過去の食生活データを学習・分析して個別にダイエット改善のプログラムを作成できるようなシステムが挙げられます。

離れたところからタスク管理・実行を実現

消費者のスマート機器に対する要求で最も一般的なものと言えば、やはり「離れた場所にいながらタスクの管理・実行ができる機能を持つ」ということになります。「玄関のカギはちゃんと閉めただろうか?」「アイロンのスイッチ消したっけ?」「台所のオーブンもしかした付けっぱなしで出てきてしまったかも?」などといった心配が出てきた場合に、出先から簡単に確認・対処できればこれほど便利な事はありません。つまり消費者にとって「安心感が持てる」ということは非常に大切な要素なのです。

実用性の薄い利用法は無視してOK

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スマート機器の活用対象としては、冷蔵庫、電球、スプリンクラーなどといったところが効果的です。中には赤ちゃんのオムツや歯ブラシ、またはワインボトルにまでこのテクノロジーを当てはめようとする向きもあるようですが、今のところ現実的な需要はゼロに等しいでしょう。

さて、これまで見てきたポイントをまとめると、今の段階でモノのインターネットに求められているのは一般大衆の注目を得られるような近未来的機能であって、長年に渡って課題とされてきている「コスト削減」や「離れた場所からの管理」といったニーズにしっかり応えていけるかどうかという事が最重要となります。

さらに開発側としてみればスマート機器が持つリスクへの対策も必須となり、それでいて便利で安く安全性の面の心配もない製品を作り出すことが求められてきます。こういったハードルをクリアできるまでは我々の日常生活にモノのインターネットが広く浸透するということにはならないでしょう。

この記事はWhat’s holding back the Internet of things?の記事をUsable IoT blogが日本向けに編集したものです。

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