- 2017-8-25
- ビジネス・インテグレーション
- 仮想通貨

どのような違いがあるの?仮想通貨の種類と特徴
運用開始されてから10年も経たないうちに、仮想通貨であるビットコインは瞬く間に世界中に熱狂的ファンを増やしました。先日はビットコイン分裂騒動も話題になりましたね。
ビットコインはブロックチェーン理論のもとに運用されている仮想通貨です。取引記録が全て乗っているブロック(台帳)がそれぞれ連携していることからブロックチェーンと呼ばれています。
(参考:ブロックチェーンの仕組み ~初心者のためのわかりやすい解説~)http://gaiax-blockchain.com/blockchain-first-book
今では仮想通貨の種類は大幅に増え、その数はなんと数百種類とも言われています。ビットコインに似た仮想通貨もありますが、それぞれ異なる特徴を持っています。
今回ご紹介するのは下記の仮想通貨。仮想通貨のほんの一部ですが、種類ごとの特徴についてご紹介していきたいと思います。
- Bitcoin(ビットコイン)
- Ethereum(イーサリアム)
- Ripple(リップル)
- Litecoin(ライトコイン)
- Ethereum Classic(イーサリアム・クラシック)
- NEM(ネム)
Bitcoin(ビットコイン)
ビットコインは仮想通貨の先駆けの存在で、仮想通貨といえばビットコインというイメージがついています。
ビットコインはインターネット環境と端末を持つユーザ同士でのやり取りができるP2P(Peer to Peer:ピア・トゥ・ピア)で成り立っています。世界中のどこであっても送金・入金の操作が即座にできる上に、送金時に手数料もほぼかからない点が大きな魅力です。
ビットコインの単位はBTCで表されており、2017年7月の1BTCの価格を見ると、1BTC=約28万円となっています。仮想通貨は需要と供給のバランスがあるため、為替のように常に値動きがあります。ビットコインの8割以上を保有している中国人は資産保護と投機的な意味でビットコインを保有しています。
ビットコインの特徴として、発行上限があります。2,100万BTCに達した時点で打ち止めとなり新たにビットコインを発行することができません。予測では2040年前後には発行上限に達するとされています。
▼ビットコインの分裂に関しては、関連記事をご覧ください。
Ethereum(イーサリアム)
イーサリアムはビットコインに次いで時価総額2位の仮想通貨です。イーサリアムの単位はETHで表されます。こちらはビットコインのように非中央集権型ではなく、中央集権型です。
イーサリアムもP2Pで利用できるためビットコインに似たような仮想通貨ですが、ビットコインと大きく異なるのが「スマートコントラクト」とい機能があることです。スマートコントラクトとは契約を実行・保管する機能のことを指します。
契約は期限・期間・契約金額・対象者(対象企業)といった重要な情報が記述されています。もしイーサリアムを用いて2020年1月1日にA社に対して1,000万円の契約金額を支払うという契約のデータを作成すると、期限が来たと同時にこの金額がA社に移動します。支払い形式は通貨・株式・証券でも同じです。そしてその実行された記録はイーサリアムの記録に半永久的に残るのです。
このような情報を全て保管していくことで、ユーザの利便性が高まることが期待されています。
Ripple(リップル)
Rippleの最大の特徴は、ブリッジ機能と呼ばれています。
ブリッジ=橋という意味の通り、Rippleの通貨XRPを通して他の通貨同士の交換をやりやすくする橋渡し的役割を行う仮想通貨です。法定通貨のドル、円、元などとビットコイン、イーサリアムといった仮想通貨に替えることができます。
ウォレット内でドルを円に替えたり、円をビットコインに替えたりすることが可能なため、わざわざ両替所にいく必要もなければ他の両替サービスを利用する必要もありません。インターネットの中だけで通貨が両替できてしまうのです。
また難しいハッシュの計算を行わないため採掘に時間がかからず、Validator(バリデーター)と呼ばれる取引の整合性を確認するプロセスを経ることで1回の取引にかかる時間が数秒で済むため、この点も非常に魅力的です。
最近では三菱東京UFJ銀行がリップルを活用して海外送金サービスに乗り出すことが話題となりました。
(参考:日本経済新聞 三菱UFJ、送金効率化へ世界連合 米欧豪6行と18年
即時決済、手数料安く)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC24H28_U7A420C1EE9000/参考:日本経済新聞 新送金システム国内連合、三菱東京UFJも参加
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDC30H1H_Q7A330C1EA2000/
ビットコインやイーサリアムなどと違い、リップルは中央集権型の仮想通貨のため、リップルを発行しているリップル社の思惑によって運営されている仮想通貨であることも特筆すべきでしょう。
Litecoin(ライトコイン)
ライトコインは徐々に時価総額が上がってきています。機能的にはビットコインと似通っているのですが、特徴としてはビットコインの欠点を解消したところにあると言っていいでしょう。
ビットコインと同じくPeer to Peerで取引を行うことができますが、ライトコインは取引にかかる時間が短時間で済むことです。ビットコインが1回の取引にかかる時間は約10分程度ですが、ライトコインは2分程度で済むと言われています。これは採掘(マイニング)にかかる時間が少なくて済むことから可能になりました。
2017年7月26日の状況を見てみると、現在の仮想通貨の時価総額ランキングは図のようになっています。ライトコインは1位のビットコイン、イーサリアム、リップルの次に時価総額が高い仮想通貨です。
(出典:CryptoCurrency Market Capitalizations https://coinmarketcap.com/#JPY)
Ethereum Classic(イーサリアム・クラシック)
イーサリアム・クラシックは非中央集権型の仮想通貨です。イーサリアムとは異なります。
イーサリアムは以前「The DAO」というイーサリアムのネットワークシステムの脆弱性を突かれてハッキング攻撃を受けました。その被害額は日本円で約50億円とも言われています。
その際イーサリアムが取った対応策は、ハッキングを受けた状態に巻き戻すことでした。イーサリアムを二つに分けることにより、このハッキングで受けた被害をなかったことに書き換えたのです。これをきっかけに、イーサリアムは二つに分裂しました。
旧ルールと新ルールの通貨が二つ存在するため、イーサリアムとイーサリアム・クラシックに区別されています。イーサリアム・クラシックは旧ルールで運用されている仮想通貨です。同じ「イーサリアム」という名前ですが、この二つの通貨には互換性はありません。
これがいわゆる「ハードフォーク」と呼ばれるものです。ビットコインもハードフォークにより、ビットコインとビットコインキャッシュに分裂したのは記憶に新しいところです。
(参考:CNet Japan 国内13の取引所、ビットコインの取引停止を7月23日に前倒し)
https://japan.cnet.com/article/35104606/
NEM(ネム)
NEMはJavaにより設計された仮想通貨です。Proof of Importance(プルーフ・オブ・インポータンス)という独自のアルゴリズムを用いており、ビットコインやイーサリアムよりセキュリティに関しては高い設計になっています。
また、採掘に当たる方法も他の仮想通貨とは異なっています。
NEMの採掘はユーザの重要度によって報酬が得られるしくみになっています。ユーザの重要度とは何を指すかというと、「取引回数の多さ」と「コインの保有数」によって決められます。
NEMの通貨はXEMと表記され、上限は90億コインとされていますが、これは全て発行済みです。仮想通貨を利用するユーザが取引手数料を支払うことで報酬が支払われるしくみとなっています。取引の認証を行うことはハーベスィング(収穫)と呼ばれ、マイニング(採掘)と同じ意味ですが、報酬は他のユーザが支払った取引手数料で支払われます。
このハーベスティングでは、富のあるユーザにマイニングによって更に富が集中するビットコインなどのしくみとは大きく異なります。
まとめ
以上、時価総額ランキングでおなじみの仮想通貨について特徴を挙げてみました。仮想通貨を利用してみたいけれどもどれを買えばいいかわからないという方は参考にしてみると良いかもしれません。
仮想通貨は常に値動きしており、新しい技術の仮想通貨はひっきりなしに生まれています。利便性の高い仮想通貨は爆発的な人気となり、需要より供給が大きいため高値を記録することもあります。
これからも仮想通貨市場の動向には目が離せません。
■関連記事:仮想通貨とECは最強の組み合わせになるか?
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