株式会社クボタ
工場組立ラインのアンドンシステムと「ねがブロ」を併用して、間接工数を削減。従来の呼び出し音を減らし、より集中出来る環境で生産性向上を目指す。


  • 呼び出し内容が場所を選ばず分かるため、広い工場内を往復する間接工数が減った。
  • アンドンシステムとの併用、緊急以外は「ねがブロ」を活用することにより
    作業現場が静かになり、より作業に集中出来るようになった

飲食店中心に導入されていた、「ねがブロ」を工場用に応用

「ねがブロ」は、外食産業を中心に提案をしていたのですが、どこで「ねがブロ」を知ったのでしょうか?

奥畑様:銀座シックスで食事をする機会がありまして、テーブルの上に、要望が複数書いてある積み木みたいなものが置いてあり、倒すとスタッフさんがすぐに来てくれました。
これを見た瞬間に、弊社の工場でうまく活用出来ないかと思いました。

銀座シックスに置いてあるのは、飲食店用の「ねがブロ」でしたが、工場用でも応用できると思ったのは、どういった所でしょうか。

奥畑様:「1人の人が複数人に呼ばれるという状況」は、工場でも同じです。
当時、弊社の工場のオペレーションは非常に繁雑な部分がありました。
弊社の組み立てラインでも銀座シックスさんのように、スマートに作業が出来ないかと考え、エスキュービズムさんに連絡をさせて頂きました。

現在はどんなオペレーションで作業をしていますか?

奥畑様:現在は、アンドンシステムで呼び出しを確認しています。
呼び出しボタンを置いて、モニターに呼び出した工程場所が表示される仕組みです。

一般的なアンドンシステム

たったの1往復が、200m

なぜ、呼び出しシステムを変えようと思っていたのですが?

奥畑様:大きな理由は2つです。
まず1つ目が、呼ばれた内容が分からないため、どの要望から対応していいかの判断がつきにくく、効率的に対応出来ませんでした。
そのため、現在は下記の手順で対応しています。

  • 呼び出されたらチャイムが鳴る
  • モニターに表示される
  • モニターを確認
  • 工程現場に行く

そもそも、作業員からモニターが見えない場所があるので、モニターが見える場所まで移動する必要があります。
加えて、呼び出された工程現場に行っても、部品が必要な際やトラブルが起きている場合は何往復もしていました。
恐らく、飲食店さんだったら数十メートルの往復かもしれませんが、弊社の工場では組み立てラインだけでも、直線で約200mあります。

端から端まで往復するだけでも一苦労ですので、この間接工数が悩みの種でした。
呼び出され、何往復している間も、組立ラインはずっと動き続けるので、わずかなタイムロスも生産の遅れに繋がります。
優先順位が分からず効率的にさばけない結果、ラインを止めてトラブル対応に時間を使うこともありました。

奥畑様:2つ目に呼び出し音の音が非常に大きいです。
工場の中のコールベルは、『喧騒な現場』での利用を想定しているため、工場用の呼び出し音は強烈な音量で工場内に鳴り響きます。

工場用呼び出しボタン

呼び出し依頼がある度、強烈な音で呼び出されるのですが、対応が遅くなると2回目には、「カンカンカン」という空襲警報のような、さらに強烈な音で呼び出されます。
こんな喧騒状態で1日働いていると、現場としてもかなり精神的な負担が大きいです。

1日約70回の呼び出しが、1桁に

この課題、「ねがブロ」は解決出来ましたか?
工場での「ねがブロ」の使い方も含め教えてください。

青木様:かなり解決されました。
今は、各工程のワゴンや、棚に「ねがブロ」を置いて、要望があればワゴンにあるブロックを倒しています。
緊急時は、モニターに表示、それ以外は「ねがブロ」で対応という使い方をしています。
また、ワゴンで移動するとブロックが倒れやすいので、マジックテープを底面に貼り付けで固定しています。

棚に置いてある「ねがブロ」
ワゴン
マジックテープで固定

「ねがブロ」の場合は、"呼ばれた場所"と"呼ばれた理由"が分かるので、無駄な往復も減ります。
また、モニターとリストバンドを併用して緊急度を分けることで、対応の優先順位がつけやすくなり、ラインを止めることなく作業をスムーズに進めることが出来ます。

奥畑様:さらに、製造現場が圧倒的に静かになりました。
正式導入する前にテスト的に使った際、1週間で約70回呼ばれていましたが、「ねがブロ」が導入されてモニターに表示される呼び出しが1桁になった日もありました。
つまり、緊急度の高い呼び出しは、実はそんなに多くなかったということです。
これは、「ねがブロ」を導入して初めて気付けたことです。

加えて、弊社の工場は、お客様が工場の中を見学されることもあるので、工場内があまりにもうるさいと印象が良くないですし、現場の私たちとしても「ねがブロ」が導入され工場内が静かになったことで、大分働きやすくなりました。
導入当初は、通信距離も心配でしたが、130mある組み立てラインでも中継器1つで問題なく通信されています。
既に、他の現場でも欲しいという声があがっています。

クボタ仕様の「ねがブロ」

クボタさんは、ブロックをどのようにカスタマイズしていますか?

青木様:「品質チェック」、「ピッキング」、「コール」、「タップ」の4通りのリクエストで使っています。

品質チェックとは?

青木様:各工程で正確に組み立てられているかを確認する、品質チェックの担当者が、ラインに立っているのですが、今まではトラブルがあった際、品質チェックがスムーズにいかず、後工程に不良品が流れることがありました。
ただ、「ねがブロ」の場合だと品質チェックの要望を明確に伝えられるので、担当者にも伝達漏れがなく、スムーズに通知することが出来ます。
そのため、チェック作業が後に流れず、安心して後工程に流すことが出来るようになりました。
その結果、後工程に流れる不良品の数もだいぶ減りました。

タップとは?

青木様:部品のねじ穴に、ボルトが入らない時があります。
その時は、ボルトが入るように、ねじ穴を直す必要があるのですが、その直す工具をリタップと呼びます。
このタップを倒すと、リタップを持ってきてという要望の意味になります。

リタップ

ちなみに、今まで他のシステムを検討したことはありますか?

奥畑様:腕時計型のコールベルを検討したことがあります。
呼び出したことが、腕のリストバンド上で分かるのですが、呼び出されたことしか分からないため、結局2度手間なのは変わらず、採用には至りませんでした。

工場用の「ねがブロ」に必要な機能

「ねがブロ」の初めての工場導入が、日本を代表する農業機械メーカークボタさんでした。
他の工場でも、「ねがブロ」は活用出来そうでしょうか。
工場用に欲しい機能などもあれば、教えてください。

奥畑様:他の工場でも活用出来ると思います。
工場は製品の精度と生産性をどれだけ高められるかが、ミッションだと思います。
「ねがブロ」は無駄な作業をなくし、より作業に集中出来る環境を作れると思います。

奥畑様:欲しい機能というと、リストバンドに通知しても気づかなかった場合は、アンドンシステムに表示されるように切り替えられると、より正確に作業が進むと思います。
工場の場合は、リストバンドにペアリングするブロックが非常に多いです。
弊社の場合は、リストバンド1本につき25ブロックがペアリングされています。
そのため、リストバンドに要望が直接通知出来ても、要望の数が多いと見逃してしまうことがあります。
何回か気づかなかった場合は、緊急度が高い呼び出しとして、モニターに表示してもらいたいと思いました。

後、ブロックの数が多いため、充電をするのが大変です。
1個ずつUSBケーブルを接続して充電するのですが、例えば充電ステーションがあり、そこにブロックを並べて置くだけで充電が完了するようなことが出来れば本当に楽になると思います。

貴重なご意見ありがとうございました。